情報通信技術の進化と普及による社会のデジタル化(Digitalization)は、確実に進んでいます。しかし、そのことと企業の存亡に紐づけるのは些か無理のある話です。企業変革の必要性は、デジタル化の潮流とは無関係のものですし、デジタルを使えば変革が進むというものでもありません。デジタル化は科学技術の進化の一領域であり、企業活動を下支えする一要素に過ぎません。デジタルは、生産性や競争力を向上させるイネブラーとして捉えるべきものです。技術の利活用の仕方は業容によって異なるものであり、また現場でこそ有効なアイディアが生まれるものです。SDGsのように広報活動のネタとするのは、あっても良いことだと思いますが、経営計画に盛り込んだり、成果が読めない推進組織を作ったりするのは得策ではありません。
経営者は、DXという言葉を使う前に、デジタル化の潮流と自社における影響を自分自身で考察せねばなりません。